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サビや傷に強い!溶融亜鉛メッキのメリット・デメリットを徹底解説

「溶融亜鉛メッキってなに?どんな用途で使うの?」
「溶融亜鉛メッキは亜鉛メッキとどこが違うのだろうか」

上記のような疑問をお持ちの方は、きっと多いでしょう。
メッキ加工をする際に溶融亜鉛メッキを用いるのに、どんなメリットがあるかを知りたい方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ドブ付けメッキ加工の一種「溶融亜鉛メッキ」について徹底解説。
メッキを用いるメリット・デメリットや普通の亜鉛メッキとの違いも紹介します。

溶融亜鉛メッキとは何か知りたい方は必見です。

サビや傷に強い!溶融亜鉛メッキのメリット・デメリットを徹底解説

溶融亜鉛メッキとは亜鉛を鋼材にドブづけするメッキ法のこと

溶融亜鉛メッキとは、メッキ加工技術のひとつです。
高温に熱した亜鉛に鉄など鋼材を浸して、表面に亜鉛皮膜、すなわちメッキをかけることを指します。

溶かした亜鉛に鋼材を浸す様子を「ドブづけ」とも呼びます。

溶融亜鉛メッキと亜鉛メッキの違いを解説

亜鉛メッキ加工にはさまざまな種類があります。

溶融亜鉛メッキも亜鉛メッキの一種です。
よく使われる亜鉛メッキはこの溶融亜鉛メッキと電気亜鉛メッキの二種に分かれています。

溶融亜鉛メッキの特徴としては、とにかく丈夫なことです。
水や酸素を通しにくい加工であるため、表面から入り込んだ成分による腐食を防ぐことができます。

一方電気亜鉛メッキは、見た目を重視した加工です。
表面の美しさを重視しているために、耐食作用は溶融亜鉛メッキほどはありません。

溶融亜鉛メッキを使うメリット5つ

金属を加工する方法はたくさんあります。
ではなぜ溶融亜鉛メッキを選ぶとよいのでしょうか。

ここでは5つの溶融亜鉛メッキの長所を挙げていきます。
どんな加工にも向き不向きはありますが、溶融亜鉛メッキの特長をここで掴んでみましょう。

鋼材がサビる・腐食する可能性が低い

歴史的にも、長い間溶融亜鉛メッキは重宝されてきました。
フランス革命前のフランスで開発されたこの技術によるメッキは、剝がれにくく、また金属の腐食を防ぐ作用を持っています。

溶融亜鉛メッキには外部の酸素や塩分を完全にシャットアウトして内部の鋼を守る力があります。
それと同時に、表面に付着した二酸化炭素などと結合して、より被膜を強くするというバリア機能も持っています。

これが使っても弱らないメッキの秘訣です。

衝撃や摩擦でメッキが剝がれにくい

溶融亜鉛メッキの特徴の一つが剝がれにくいことです。

これは亜鉛自体が丈夫であるというよりは、ドブづけと呼ばれる加工方法によるものです。
溶融亜鉛メッキ加工をすることによって、鋼の表面はメッキに覆われますが、この際に強い金属同士の結合が起きます。
この合金反応が起きた結果、少しの摩擦では剝がれることのない強いメッキとなるのです。

剝がれづらいことで、メンテナンスの必要が少なくなるため経済的にもメリットがあると言えるでしょう。

均一で分厚い亜鉛メッキを鋼材に添加できる

メッキ加工をする際には、表面にメッキを吹き付ける方法や、あるいはドブづけのように加工金属を浸した槽に漬けるという方法など、複数の手段があります。

しかし吹き付ける方法では、物理的に加工が不可能な形がある場合があります。
その場合、ドブづけのように槽に浸す方法であれば、どんな複雑な形であっても均一に表面に下降をすることができるでしょう。

溶融亜鉛メッキの大きな特徴として、こうして表面に均一に加工ができることが挙げられます。

あらゆるサイズの金属をメッキ加工可能

先述したように、槽に浸すタイプの加工方法である溶融亜鉛メッキは、複雑な形にも対応することが可能です。

またそれと同様に大きなものでも小さなものでも対応できる柔軟性があります。
槽に入る範囲であれば、どんなものでも加工することができるというのは強みです。

湿度の高い島国である日本では建物も腐食してしまうことがあります。
それを防ぐために溶融亜鉛メッキは大きな役割を果たしているのです。

犠牲防食作用でキズに強い

溶融亜鉛メッキでは、加工する鋼金属を完全に覆ってしまいます。
そうすることで外部からの腐食や、あるいは傷、衝撃などから避けるわけですが、それと同時に犠牲防食作用も発揮されています。

傷や衝撃を与えられた際に、内部の鋼金属はメッキ加工をされているため傷つきません。
一方のメッキ加工をされている表面は傷がついてしまいますが、しかし犠牲防食作用によって、傷ついた部分に周囲の亜鉛が溶け出すことで、内部への影響を抑えることができます。

溶融亜鉛メッキは亜鉛だまり・ガスだまりができやすいのがデメリット

先述したように溶融亜鉛メッキは、槽に金属を浸すことによって均一に表面を覆うことができます。
しかし一方で、この加工方法には長所だけではなく短所もあります。

吹き付けるような加工の仕方であれば、調整して薄くする部分や余り液が出ないようにすることもできますが、溶融亜鉛メッキではそうはいきません。
そのため、メッキの亜鉛が一部に溜まってしまったり、あるいは内部にガスが溜まってしまう場合がありますので注意が必要です。

溶融亜鉛メッキにおすすめの施工箇所を紹介

丈夫で長持ちする溶融亜鉛メッキ加工は、いつも生活している街の至る所で見られます。
ここではいくつか代表的な例をご紹介します。

送電塔

剥がれる心配のない溶融亜鉛メッキであれば、野外で常に天候にさらされる送電塔に使っても安心です。

温室・牛舎

温度の上がる建物でも溶融亜鉛メッキは活躍しています。高温だけでなく、湿度にも強いのです。

室内プール

湿気の多いプールでも、長期間錆びることはありません。

まとめ

金属加工にはさまざまな種類がありますが、溶融亜鉛メッキの使いやすさはそのなかでも随一。
野外に設置するものや、あるいは湿度の多い場所に設置したい場合には溶融亜鉛メッキを使うのがおすすめです。

丈夫、腐食しにくい、コスパがいい、この三点が揃った溶融亜鉛メッキを、ぜひ活用してみてください。